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舳倉島診療日誌
臨床研修を終えたばかりの新米医師が毎年半年交代で赴任する舳倉診療所。温かい島の人々に囲まれてのんびりすごす島の暮らしを綴りたいと思います。
祝いしかわ里海の至宝 石川県民俗文化財認定
ご無沙汰しております。
診療所の出島です。すっかり更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした

7月に入り、いよいよサザエ・アワビ漁がスタートし、島では活気にあふれています!

舳倉島では、江戸時代より続く海女の素潜りによるサザエ・アワビ漁が今も変わらずに行われています。
そして、6月には、このサザエ・アワビを収穫する「伝統的素潜り技術」が県の無形民俗文化財に指定され、認定報告・学習会が舳倉島で開催されたため、研修で訪れていた木村先生とともに参加してきました。

県および市の職員、上智大学のアン先生、舳倉島での海女さんが参加し会が始まりました。
まずはじめに、全国の海女は減少傾向であることが報告されました。
その例として、三重県の鳥羽市も海士漁が盛んですが、S53年に3167人いた海女さんが現在は978人と減少しているのに対して輪島市はS53年に176人→215人とほぼ人口に変化がないことが紹介されました。

次に認定となった理由として、評価された点の説明がありました。。
①8世紀より舳倉島での海士漁は文献に記載があり、16世紀に九州から移住してきたという歴史的な記述が残っている点
②素潜り漁の技術が何百年と継承されており、今も変わらぬ技術で行われている点。
③奥津姫神社を中心とした漁への信仰が息づいている点。
④禁漁区やアワビの大きさ制限、操業時間などを自治組織で自主的に管理している点

そして今後、文化財としての海士漁を守るいくために、サザエ・アワビの生息環境の保全のためいくつか取り組みがなされることも報告されました。
①天敵となるタコ・ウニの収穫、②稚貝の放流、③エサとなるツルアラメの設置などの取り組みが県を挙げて行われていくようです。
また、漁協としても収入を夏だけでなく冬も確保するために、サザエとアワビだけでなく、ワカメ、海苔や駆除で採ったタコやウニの商品化などを進めていくことも紹介されました。

最後に、5年以上にわたって舳倉島の海士文化を研究されてこられた上智大学のアン先生より基調講演が行われました。
先生曰く、地球温暖化による海洋生物への影響は学者が机上の空論で議論するよりも、現場の人間が感じていることが一番正しいということ。そういう意味で舳倉島の方の意見は将来の地球温暖化で人間が生きていくカギになる可能性があるとお話されていました。実際に何百年の間に海の環境は変化しているはずなのに同じ場所で漁を続けているのは、採り過ぎない、そして孫の世代のために自然を守るという海女さんたちの自然への配慮があるからだと強調していました。
また、女性の活躍には男性の協力が不可欠だが、舳倉島では江戸時代より海女漁に対する男衆の理解と協力があって成り立っている。これは男女参画化社会のモデルケースになるとも話していました。

舳倉島では国の政策や国会の論議は遠い話に感じていましたが、日本で課題となっている地球温暖化・環境保全・男女共同参画化社会の実現への一つの鍵があるというお話はとても新鮮でした。

最後に、海女さんの海中での美しさは忘れられない。海の中では人魚のようで心奪われる美しさがあるとおっしゃっていました。
診療所では腰・肩・膝が痛いと言って診察を受けにくる70代、80代の女性の海女さんが多い中でにわかには信じがたいですが、もしそれが本当ならば是非この目で見てみたいと思いました。
最後に一句
「腰痛い 傘寿のばあちゃん 海潜り 人魚と化して サザエと踊る」
お後がよろしいようで

アン先生と木村先生

木村先生&アン先生

PS:体重は75kgと減少傾向が続いています!この調子で引き続き減量を頑張っていきたいと思います。


プロフィール

Takuya Suda

Author:Takuya Suda
住所 〒928-0072 石川県輪島市海士町所属舳倉島出邑山1-4 舳倉診療所
TEL:0768-22-7500
FAX:0768-22-7509
mail: lovelyhegura@yahoo.co.jp

This blog started in April, 2006. I am the 19th author.



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